マスコットキャラ・ゆるキャラを名乗るにあたり、ただ絵やデザインがあるだけは結局自称でしかなく、グッズ等で現実世界での活躍があって初めて世間的に認められると考えています。
特に着ぐるみがあるかどうかは活動の幅に大きく影響しますし、何よりも「キャラクターとして活動している」と言えるかどうかの分水嶺になってくると思います。
だからと言って、ただの一般個人が自分で考えたマスコットキャラの着ぐるみを作るのは自分でもおかしいと思います。
構想10年 (マジ)
実は、めでぞうくんが生み出される前、そもそもマスコットキャラを持ちたいという欲求を自覚する前から「オリジナルの着ぐるみが欲しい」と思ってました。
まだVTuberはおろかYouTuberも市民権が無い時代、かつ当時はゆるキャラ全盛期だったので、自分の姿を変えて活動する=着ぐるみ みたいな思考だったのかもしれません。
それが当時大学入ってすぐの頃、約10年前の話です。
当時は学生ゆえお金がなく、業者に頼むのでなくサテン布やボール紙を使って自作しようとした記憶があります。
なんか1日で考えたオリジナルのキャラクター(エリンギの化身みたいなやつ)だったと思いますが、記録も記憶も何も残っていないので真相は闇の中です。
- 材料は買ったけど結局完成せず、結局布は即売会とかでテーブルに敷いて使ってた
めでたいのアカシックレコードたる旧めでブロにも当時の考えが残っていました。
過去の記録は残しておくとたまにいいことがありますね。
- この時ぼかしたせいで当時何作ろうとしてたのか完全に迷宮入りしてしまった
他にも下記のように色々と野望を掲げておりましたが、なんだかんだ着ぐるみ以外は達成しててびっくりしました。
特にバーチャルYouTuberは2022年現在立派なオタクコンテンツとして成熟したので当時の私はめちゃくちゃ先見の明があったようです。
言霊とかは気にしたことありませんがとりあえず言ってみるものです。
めでぞうくん、誕生
その後2018年7月にめでぞうくんという概念が誕生し、2019年1月に3Dモデルを携えYouTubeデビューを飾りました。
その後、絵描き歌を投稿したりLINEスタンプを出したりといった活動を地道に重ね、着ぐるみ動画投稿前の時点でチャンネル登録者数は29人を突破しています。
- 27人かと思って記事書いててチェックしたら29人だった(ありがとうございます)
着ぐるみVTuberの先駆者様
で、YouTubeデビュー時にももろちん「よ〜し、いつか着ぐるみ化して街を練り歩くぞ〜〜〜〜」という思いはありましたが、デビュー即製作というわけにもいかないので段階を踏むために様子を見てました。
弱小マスコットキャラの着ぐるみと家の収納場所・金銭面を天秤にかけてまだ釣り合ってなさすぎて冷静になってしまっていました。
そんなこんなで半年ぐらいたった2019年8月に、個人勢VTuberであるところのぽんぽこちゃんねるにて重大発表と題して着ぐるみの発表動画が公開されました。
改めて紹介するまでもないと思いますが、このチャンネルは甲賀流忍者ぽんぽこ、ピーナッツくんが出演して動画投稿を中心に活動しており、実質的に2017年から活動しているかなりの古参VTuberです。
以下の非公式Wikiが詳しいです。
私の知る限りVはおろかYouTuberの活動として着ぐるみを実現したのは前例がなく、当時はネットニュースになったり様々な放送で言及されていた記憶があります。
バーチャルならではの非人間キャラだったところを着ぐるみ化することにより実世界でも活動できるようになり、動画企画やイベント出演など活躍の幅が一気に広がりました。
その勢いは留まることを知らず、2019年にはピーナッツくん、2020年にはぽんぽこさんがゆるキャラグランプリの企業・その他部門で1位に輝いています。
また、最近では着ぐるみでの音楽フェスやワンマンライブ開催など新しいことにも挑戦されています。
- 最近パペットも製作されていて、こちらもめちゃくちゃ良い(ただのファン)
平時であれば逆張り心が働くところですが、普段から動画を観てたし過程も完全に私と比較にならない上位だし着ぐるみの使い方も面白いしで普通に一ファンとして楽しんでました。
「誰もやってないからやる」というモチベーションもなくなってしまったので、いつしか着ぐるみ欲自体を忘れてしまっていました。
再燃したきっかけ
そんな感じでめでぞうくん動画も更新したりしなかったりしながら3年ほど経過しました。
時は2022年、ある日の夜に高級一流イタリアンことサイゼリヤで一人でデキャンタワインを嗜みながらネットサーフィンをしていたところ(めでたいナイトルーティーン)、「ふなっしーの着ぐるみは中国の工場に発注して格安で作られた」みたいな記事を見かけました。
酔っていたのもあり「その手があったか!」と啓蒙を受けてすぐに色々調べはじめ、昔に思っていたよりも気軽に作れることを知りました。
思い返せば昔は自作を念頭に置いていたので相場をロクに調べてなかったのですが、調べた限りでは個人でも発注できるような会社は相場50-60万円で、安いところだと2-30万円で作れるようでした。
上記先駆者様の動画内で100万円かかったという話があり、まあ妥当だろう(むしろもうちょいかかってもおかしくない)と思ってたのでめちゃくちゃコスパよく感じてしまいました。
- いや、2-30万でも道楽の域を遥かに超えた金額なのでつが、、
- 思い返せば2体で100万とかだったのかも、と思って観返してみたらやはりそうだった
- ふなっしー氏は4万円らしいけどこれは流石に例外すぎる
最初にビビっと来た会社は中国に工場を持っており価格が圧倒的に安く、さまざまなタイプの着ぐるみを扱っていて実績も豊富そうでした。
ただサイトが最初の緊急事態宣言のタイミングから止まっており、見積もり用のメールフォームがエラーで送れなかったため全てを察して泣く泣く諦めました。
- 名前は出しませんが「着ぐるみ製作 中国工場」とかで調べて上の方に出てくる会社です
他にも国内外に工場を持つ会社や手作りの工房なども調べましたが、値段とクオリティのバランス、サービスなどを考えて今回はビッグキッズ様に依頼することにしました。
海外工場なので比較的安く、かつ工房が非常に良さそうだったのが決め手でした。
余談: 着ぐるみの種類いろいろ
発注するにあたり内容を検討する中で、着ぐるみにもいくつか種類があることが分かりました。
せっかくなのでこの場で簡単に紹介します。
一体型
顔と体がくっついているタイプです。
ゆるキャラの王道、パーツも少なく運用を考えるなら最初からこうなるようにキャラクターデザインをするのが良さそうです。
めでたい調べでは人間要素のないキャラ (動物・地方の名産品などがモチーフとなっているキャラ等) は一体型になる割合が高そうです。
セパレート型
頭と体が別パーツとなっているタイプです。
人間タイプの体を持つゆるキャラが多く当てはまるかと思います。
個人的には一体型に比べて動きの幅が広がりそうだな、とも思ってました(実際はそんなこと無かったのですが)。
キャラとしての矜持はともかく、やろうと思えば頭だけの運用もできそうです。
エアタイプ
形状としては上記のどちらかに似たものとなりますが、送風機によって体をふくらませるような仕組みとなっています。
畳んで収納できるため場所を取らないというメリットのほか、換気ができるため夏場でも中が地獄になりにくかったり見た目もよりふわふわになるようです。
その代わりデザインによって向き不向きがあり、また毎回送風機やバッテリーを装着して着るという手間もかかります。
また、費用も基本の型に上乗せされる形となりそれなりにかかります。
タイツタイプ
言ってしまえばキャラクターの装飾が付いている全身タイツです。
作るのも着るのも片付けるのも1番楽ですが、ゆるキャラとして成立させるのはなかなか難しそうです。
どちらかというと戦隊ヒーローの方が近いかもしれません。
- 頭だけ作り込んで体はタイツというゆるキャラはたまに見る気がする
めでぞうくんは象の頭、鯛の体、オタクの手足という複雑な構造のためセパレートタイプとなりました。
- 上記の絵は着ぐるみデザイン用ではなく本記事用にさっき描いた
- 描いてみて思ったけど、完全にデフォルメして一体型でもアリだったかも?
めでぞうくんの着ぐるみができるまで
正直発注をかけてからはメールで送られてくる途中経過に対してコメントしてたぐらいでほぼ何もしていないです。
後学のために大体のタイムラインを残しておきます。
3月26日 | サイゼで着ぐるみを調べる |
3月27日 | 製作会社に問い合わせる デザインの検討開始 |
3月28日 | デザイン完成 入金し、製作開始 |
5月12日 | プロトタイプ版完成、最終修正依頼 |
5月20日 | 完成、工場発送 |
6月9日 | 国内到着、検品完了 |
6月10日 | 胴体配送 |
6月11日 | 頭部・その他小物の配送 |
こうして見ると思いついてから入金までが早すぎましたね。
元のデザインが優秀だったので先方の素晴らしいデザイナー様の力により、一枚絵を渡しただけですぐ完璧なデザインを上げていただけたのでめちゃくちゃスムーズに進みました。
デザインやプロトタイプ版の確認時に色々と細かい修正依頼をお願いしてしまったのですがすべて快く対応していただき本当に感謝しかありません。
制作費は具体的な数字は書きませんが、最安の価格帯ではないものの相場よりはかなり安いぐらいでした。
基本的には着ぐるみ完成後の継続的なコストはかからない想定です。 (かかってもクリーニング代程度)
なので、
また、着ぐるみ到着に併せて、保管用のコンテナ、ヘルメット用のインナーキャップ、サーキュレータなど本体以外の物もいくつか購入しました。
この辺りは着用・運用をまとめた記事を改めて投稿する予定です。
以下、いくつか画像掲載の許可をいただきましたので紹介します。
製作会社に送ったイラスト(親の顔より見た)
通常の製作会社は三面図などデザイン資料をお渡しした上で詳細な設計を進めるところが多いですが、なんとビッグキッズ様では既存のイラストから着ぐるみ用のデザインを起こしていただけました。
私のように着ぐるみ造形に疎い人が作るには最高のサービスでした。
画像を送って最初に作っていただいたイメージ案A
これでほぼほぼ解釈通りだったのでこちらのデザインをベースにして進めることにしました。
- 見積もりの段階でこのレベルのイラストが出てきたから勢いで発注まで進めてしまったというのは、ある
イメージ案B
こっちのほうが制作費は安かったものの流石に別物すぎるなぁ……と思い採用には至りませんでした。
イメージ案A+牙+詳細な設定
これでデザインは確定として発注しました。
到着時の姿
箱の大きさで家の容量オーバーが確定してめちゃくちゃ絶望してました。
ただ完成度の高さはこの時点でにじみ出ています。
そして・・・
マスコットキャラクターのめでぞうくんで~す!
着用・運用に関して
着ぐるみ化の話でかなり長くなってしまったため、着用・運用に関する内容はまた別にまとめようと思います。
今後の展開
マスコットキャラクター考案の時に挙げていた野望をほぼほぼ達成してしまったので、ここで新たにやりたいことを考えようと思います。
数年後見返したときに達成できているのかいないのか、はたまためでぞうくん自身が滅されているかは誰にもわかりません。
着ぐるみでキャッチーな動画を撮る
作ってしまったからには逆張りがどうとか言ってられないので色々やっていきたいです。
今更TikTok始めるのも情けないのでYouTubeのShort動画とか出していきたいですね。
着ぐるみ版スタンプ
元々あんまり活動してないのにLINEスタンプ第二弾を作るのは消極的だったので、着ぐるみ化というタイミングはちょうどいい機会ではないかと思います。
そのネタのためにもまずは動画を撮るところからですが……
演奏するめでぞうくん
肉体を手に入れたことで現実世界の物と干渉できるようになったため、せっかくなら楽器演奏もしてみたいです。
有名なゆるキャラだとにゃんごすたー氏がドラムの演奏でバズり、「世界で最も過小評価されているドラマーTOP25」なるランキングで1位に輝くほどに見た目・演奏技術ともに評価されています。
指の太さをどう補うかがポイントになってきそうです。
マリオネット化
着ぐるみはインパクト、活動の幅、キャッチーさで絶大なパワーがある反面、やはり小回りがきかないという難点があります。
パペットのほうが色々と楽そうではありますが、めでぞうくんの動きの解釈を考えるとマリオネットがしっくりきます。
- 私は嘘をつきました。ただの逆張りです
実はこれまた過去にマリオネットの自作を試みたことがあり、その際に呉服店でタコ糸やら粘土やらを買っていました。
いつしか糸はチャーシューを作るのに流用され粘土は某仮面を作る材料となったため、こちらも将来的にはどこかに依頼するのが安全そうです。(予算が底を尽きたため干支一周先ごろになるとは思いますが)